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まんまーれ

子どもを守る〜ネグレクト撲滅に向けて〜

ネグレクトという言葉を聞いたことはあるでしょうか?一般的に「幼児・児童・ご高齢の方・障害のある方などに対し、その保護、世話、養育、介護などを怠り、放任する行為」を指します。

今回は、子どもへのネグレクト(育児放棄)に対して、できることを書きたいと思います。

ネグレクトの種類と傾向

厚生労働省によると、ネグレクトは「身体的虐待・精神的虐待・心理的虐待とならぶ虐待の一つ」とされています。この3つの虐待は「子どもに有害なことをする」ものです。それ対してネグレクトは「子どもが必要とするものを親が提供しない」ことであると言えます。

またネグレクトは、2つに分けられます。

「積極的ネグレクト」…物理的・経済的条件が整っているにもかかわらず保護を遺棄すること

「消極的ネグレクト」…貧困や知識不足などが原因で保護ができないこと

どちらも、親の注意が子どもに向いていないという点では共通していますが、根本的な背景が異なるために解決の方法も変わってきます。

ネグレクトは、育児放棄や育児怠慢と言われる児童虐待の1つです。子どもの健康・安全への配慮を怠っている、必要な情緒的欲求に応えていない(愛情遮断など)、食事、衣服、住居などが極端に不適切で、健康状態を損なうほどの無関心・怠慢などが該当します。 例えば、

家に閉じこめる(子どもの意思に反して学校等に登校させない)

病気や怪我をしても病院に連れて行かない

乳幼児を家に残したまま度々外出する

乳幼児を車の中に放置するなど

適切な食事を与えない

下着など長期間ひどく不潔なままにする

極端に不潔な環境の中で生活をさせる

親がパチンコにハマってる間、乳幼児を車の中に放置して熱中症で子どもが亡くなったり、誘拐される事件。乳幼児だけを家に残して火事で焼死してしまう事件など、ネグレクトという虐待の最悪の結果です。

祖父母、兄弟姉妹、保護者の恋人などの同居人が身体的虐待、性的虐待、心理的虐待に掲げる行為と同様の行為を行っているにもかかわらず、それを放置することも発生してしまってます。

書いていて、とても切ない気持ちになってきました…

ネグレクトの相談件数は約3万件に上っており、増加の一途を辿っています。これは、全国の児童相談所が対応した児童虐待に関する相談のうち、約4分の1にあたります。

その背景には、児童相談所全国共通ダイヤルの3桁化189(イチハヤク)が広く知られるようになってきたことや、児童虐待事件の報道によって国民の児童虐待に対する意識が向上したことが挙げられます。そのため、相談件数の増加は必ずしもネグレクトの数そのものの増加を示唆するわけではありません。

ネグレクトが子どもに与える影響

ネグレクトが子どもに与える影響は、もちろん個人個人異なってきます。例として、ネグレクトが子どもに与える影響をいくつかご紹介します。

まず、食事を与えないことは言うまでもなく、栄養失調や脱水症、身体が適切に成長しないことに繋がります。

愛情を与えないことは、好奇心や学習意欲の低下、愛着障害や情緒が不安定になることへと繋がります。

他にも、必要な教育を受けさせないことで、言語発達の遅れや学力が定着しない可能性があったり、医療ケアや親や養育者の監督が不十分だったことで、病気やケガをしたり、事故に巻き込まれる可能性も考えられます。

このようなネグレクトが原因で、昨今では1年間で20人もの尊い命が失われています。また、大人になってからもネグレクトや虐待の経験がトラウマになり、長い間苦しむことがあります。

まとめ

ネグレクトは、育児放棄や育児怠慢と言われる児童虐待の1つです。未来を担う子どもの尊い命が失われることも最悪あります。

ただ、親や養育者だけに責任を押し付けていいものではないのが実態です。バブル崩壊、少子高齢化社会、サラリーマン神話の崩壊、非正規雇用の増加、自然災害、リーマンショック、コロナショック、世の中を取り巻く環境は、一生懸命働いていても、エスカレーターを逆走するかのごとく、生活が豊かにならずもどかしい時代でもあります。そんな市場では、親や養育者も経済的に困窮していたり、社会から孤立していたり、身体的・精神的に問題を抱えていたり、自身もネグレクトを経験していたりすることがあるからです。

このようなネグレクトの実態考えると、社会を構成する私たち一人ひとりが、何ができるかを考え、実際に行動を起こすことが大切なのかもしれません。

子どもに罪はありません。ただ、その家に産まれてきたというだけで、与えられるべき環境がないのはあまりにもかわいそうでなりません。世界を見渡せば、飢餓貧困で苦しむ国もまだまだある中、これほどまでに恵まれた「日本」という国に産まれたのであれば、希望を持って人生を送れる環境を与えてあげたいと切に願います。

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