親子ですくすく子育て応援サイト

menu

まんまーれ

足育先生®に聞く!子どもに合う靴の選び方【前編】日本とドイツの靴事情

  • 2022

「今の子どもたちの7割の足が変形しているといわれています」

こう警鐘を鳴らすのは、足育先生®こと、有限会社やまごん代表取締役の山田宏大(ひろお)さん。一生の足の基礎は6歳で決まります。足は体の土台でもあり、足に合わない靴を履くことで、偏平足や足の変形などのトラブルだけでなく、体の不調も引き起こしてしまいます。

この度、子どもに合う靴を選ぶことの大切さについて、足育先生から直接お話をお伺いする機会がありましたので、3回に分けて紹介していきたいと思います。

【前編】日本とドイツの靴事情

【中編】土踏まずができるまで・合わない靴がなぜ悪いのか・たくさん歩くことの重要性

【後編】靴選び・交換のタイミング・NGな靴・正しい履き方

前編は、なぜ日本の子どもたちに足の変形が多いのかをメインにお伝えします。日本では靴を履くようになった歴史が浅く、また靴や足に関する正しい知識が広まっていない現状がありました。

足育先生ってこんな人

上級シューフィッター、シニアシューフィッター、幼児子どもシューフィッター、足爪補正士、ノルディックウォーキング指導士、カイロプラクティック整体など数多くの資格をお持ちの、足のプロ「足育先生」について紹介します。

足育先生こと、有限会社やまごん代表取締役の山田宏大さんは、年間50回以上、拠点である新潟から全国まで、子どもから高齢者を対象に足育の講演活動をされていらっしゃいます。活動は国内にとどまらず、ドイツやベルギーといった海外でも足育の講演会をされてらっしゃるそうです。これまでに3万人以上の足をみて、さらにプロスポーツ選手をはじめ、日本で活躍する子どもたちの足のメンテナンスも行っています。

古き良き、日本の下駄文化があった

足育先生「日本って、足と靴を学べる環境ってないんですよ。どうしてかというと、日本って、靴屋ができてからまだ70年しかないんですね。なぜかというと世界でも珍しい、下駄の文化だったんですよ」

日本には、日本特有の下駄文化がありました。世界中を見ても、下駄文化があるのは日本だけのようですね。長く下駄の文化が続いていた日本で、靴が本格的に大量生産されはじめたのは、昭和30年代ごろに道路がアスファルト舗装された時期と重なります(地方差はありますが)。

アスファルトには下駄は不向き

それまで日本は「土の文化」であり、下駄を履いても土がクッション材の役割を果たしていたため、足の衝撃吸収してくれていました。ただ、現在の舗装されたところで下駄を履くと、衝撃が吸収できないので、膝腰股関節・背骨・頭などに衝撃が流れてしまい、疲れやすくなったり、関節に負担がかかったりしてしまうのです。

現在のアスファルトで整備舗装されている道を歩くには、衝撃を吸収するのが靴底になります。そこで、今の生活スタイルには下駄ではなく、靴が必要になったのです。

靴の製法は学んだけれど

ただ、足育先生によると、日本は「靴の作り方」は輸入したけれども、「靴の文化」は輸入しなかった。日本の足と靴は、ドイツなど足の先進国に比べて100年以上も遅れているといわれています。それが、今の子どもたちの7割に足の変形がみられる、という現状の一つの要因でもあります。

「靴の文化」とは、正しい靴の履き方や、面ファスナー(靴ひものかわりに固定する部分)を正しく締める、靴選びの際に長さと幅をしっかりみて選ぶといったことになります。

ヨーロッパ、ドイツでは、服より靴にお金をかけます。親から代々、足に合った靴の選び方を伝える文化があり、国をあげて子どもを持つ保護者にも足についての教育(足育)がなされています。靴を選ぶ際にはきちんと計測した上で、その子に合った靴を1時間など、じっくり時間をかけて選ぶのです。それは、人間の土台である足を保護するための靴が、どれだけ大事かを知っているからでもあります。ヨーロッパの靴文化は500~600年前からもありますし、ドイツにいけば1000年前の靴屋さんが現在でも営業されています。

靴=ファッションの一部として捉えがちな日本人

日本ではどちらかというと、靴は履ければよく、靴をファッションのひとつとして捉えがちな傾向があるとのことでした。また、靴より服にお金をかけがちでもあります。足育先生によると、軽くて柔らかく、脱ぎ履きがしやすい靴というのも選ぶ方が多いのが現状です。

本来靴というのは、ファッションではなく、足を保護するものであるため、良い靴というのは軽いものではなく、重いものになるのです。それというのも、靴の値段というのは、足を支える材料がどれだけ入っているかによるので、おのずと「足を支える材料が多い靴=足によい靴」は値段が上がってきますし、重くもなってきます(もちろん適度な重さです)。

また、靴底などでいうと、合成ゴムなどがきちんと貼られており、滑りにくさでいう「耐久性」も求められます(さらに、靴の側面・後ろが固く、つま先立ちする際にきちんと足指が曲がる靴など、よい靴の条件があるのですが、それについては後編で詳しくお伝えします)。

将来大人になったときに「土踏まず」というものがしっかりとできており、足の指に変形などが一切なく、のびて適度に開いているのが理想なのです。ただ、日本人の多くが足に合った靴、よい靴の選び方を知らないせいで、足に変形などといったトラブルを抱える子どもが増えているという問題があります。

まとめ

前編では、日本の子どもに足の変形が多いことの一因として、下駄の文化が長く靴を履き始めてまだ日が浅いといったこと、さらには靴の作り方は取り入れたけれど正しい履き方や選び方などの知識(文化)が広まっていない、といったところがあることについて解説しました。足育先生のお話を聞いて、日本とドイツの靴事情がこんなにも違うのかと私自身も痛感されられました。

次回の中編では、土踏まずがどうやってできるのか、合わない靴を履くとどうして悪いのか、たくさん歩くことの重要性などについてお伝えします。

足育先生と11人のシューフィッターが子供から大人まで足と靴で足元からの健康を第一に考える健康靴専門店|靴のやまごん (yamagon.jp)

コメントは利用できません。