ホーム >
育児 >
子どもに必要な「ガマンする力」を育てよう~よくないガマンも紹介
子どもたちにはのびのびと育って欲しいですが、どうしてもガマンしないといけない場面もありますし、ガマンすることで自分を律することにもつながります。ただ、子どもにどこまでガマンさせてよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、子どもにガマンすることがどうして必要なのかと、よくないガマンってどう違うのかもあわせてお伝えします。
ガマンは自分をコントロールし、ふんばるが力です。子どもがよいガマンをすることで、強い、あきらめない心が育ちます。そのためには、周囲の大人との良好な関係により生まれる「自己肯定感・信頼・安心感」が必要です。子どもが「じぶんは大事にされているんだ」とわかれば、子どもは大人のことばに耳を傾け、ガマンができるようになります。
ただ、小さな子どもにガマンが必要な場面は「いのちや健康に害をおびやかすこと」と「社会的ルールに反すること(ひとに迷惑をかける)」ことの2つのみです。これらのことを、大人の正しいかかわりにより子どもがガマンできれば、成長していく過程で、子どもは自己判断で他のこともガマンできるようになっていきます。
大人の関わり方の中で、次の3つのガマンのさせ方は避けましょう。このやり方をしてしまうと、子どもは「いけないこと」を聞いてくれなくなります。
①大人の都合でガマンをさせる
自分がイライラしていて、その気持ちから「だめ」と言ったり、他人からよく見られようと、おうちの中ではOKしていることを人前では「だめ」と言ったりしていると、子どもは混乱してしまうので、大人の都合で対応をコロコロ変えるのはやめましょう。
ただ、普段だめと言っていることをたまにはOKにする機会もあるかと思いますが、その場合は「今日はどうして特別にOKなのか」をきちんと子どもに説明しましょう。
②威圧的に「だめ」とガマンをさせる
子どものためによかれと思って、またしつけだからといって、大人の思い込みで有無をいわさない「だめ」を使うのはやめましょう。また、子どもがどうしてもやりたがらないことを無理にさせるのもガマンの押しつけになります。
子どもに「どうしてなのか」と理由を理解させないうえでのガマンは、同じことを繰り返し、大人も無駄なエネルギーを使うことになります。さらに、子どもの性格によっては、「だめ」と言われ続けることにより、大人の顔色をうかがい行動してしまう子になってしまうおそれもあります。
③他人のせいにしてガマンをさせる
子どもへのガマンのさせかたでたまに聞くのが「あのひとに怒られるよ」「先生が○○と言っていたよ」という、大人自身の思いではなく、第三者の目を気にさせてからのガマンというやりかけたです。このやり方をしてしまうと、本当にやってはいけないこととして伝わらないので、言われなければやっていいということになってしまいます。
保護者や先生に叱られるのがいやでガマンする子どももいますが、その子にとっての基準は「叱られたくない」ということのみなので、その人たちの目がない場面では好き放題になってしまい、結果的に自分をコントロールするガマン力は育ちません。
子どもに必要なガマンですが、感情的になったり命令口調でなったりしなくても大人が教えられます。
①子どもの気持ちを受け止めてわかりやすい言葉で伝える
たとえば、公園でなかなか子どもが帰りたがらないといった際に、無理にひきずって帰るのではなく、まずは「まだ帰りたくないよね」「ずっと遊んでいたいよね」などと、子どもの気持ちを受け止めます。
つぎに、「真っ暗になったら帰り道があぶないよね」「お母さんおなかすいちゃった」などと、帰らないといけない理由をわかりやすく伝えます。
どうしても子どもが聞き入れてくれない場合は、いっそのこと思い切り遊びに付き合ってみてもいいですね。その体験が、「自分の思いを受け入れてくれた」という人への信頼感となり、次のときにガマンできる力の土台にもなります。
子どもが帰るといったことを受け入れてくれたら、「暗くなる前に帰れてよかったね」「お母さんごはんが早く食べられてうれしいな、ありがとう」など、子どもがガマンしてよかったなと思える言葉がけをしてあげましょう。この積み重ねで、子どもにガマンする力が育っていきます。
②日々の生活のなかで大人が見本を示す
子どもは普段から大人のことをよく見ています。そのため、大人自身が日頃からガマンしている姿を子どもに見せることでも、じゅうぶん子どもにガマンすることを教えられます。たとえば「おなかすいた、お菓子食べたいなあ。でも、夕ごはんの前だからやめとこう」、と子どもの前で言ってみます。つぎに、夕飯のときに「お菓子ガマンしたからご飯おいしいな!」と、言葉にしてみましょう。
こういった、ガマンしてよかったことだけでなく、「昨日寝る前におなかすいちゃったから、ついついパンを食べちゃったんだけど、おなか痛いな…」などと、よくなかったことも子どもの前で話してみましょう。そうすることで、子どもも「こうしたらこうなるんだ」という見通しが持てるようになり、自分に同じようなことが起こったとき、「そういえば、おなかがいたくなったっていってたな…」とガマンにつなげていけるようになります。
・子どもに必要な「ガマンする力」を育てましょう
・ガマンする力をつけるには、よくないガマンのさせかたは避け、子どもの気持ちを受け止めて理由を説明したり、大人が生活の中で見本を見せたりしましょう