20Jun
今回は2歳くらいのお子さんから楽しめるおススメ絵本をご紹介します。その絵本の名前は、「わにのバルボン バルボンさんのおでかけ」(とよたかずひこ作)です。
「バルボンさん」なんといってもこのネーミング
図鑑や映像でみる本当のワニって正直ちょっと怖かったりしますよね。でもこの絵本にでてくるワニはとってもおちゃめなワニなんです。まずなんといっても「バルボンさん」というこのネーミングが子どもにとても親しみやすい名前なのです。子どもたちも、「バルボンさん読んで」といってリクエストがくるくらい、親しみのあるキャラクターなので、この絵本を怖がる子は100%ない!と言い切れると思います。
バルボンさんの生活に子どもたちは興味津々!
動物のワニは四つ足で歩きます。でもこの絵本にでてくるバルボンさんは人と同じように二足歩行!そして道行く人に挨拶をしたり、お花に水をあげたりするバルボンさん。絵本の中で園児たちがバルボンさんの家の前を通る時彼に挨拶をするのですが、この何気ない風景の描写が私たちにとても大切な事を教えてくれています。それは近年のコミュニティーの在り方をみてみることでわかってきます。どういうことかというと、特に都会では、道行く人に会っても目も合わせず通りすがることがほとんどです。ご近所なのに他人に関心を示さず、誰が住んでいるのか、どんな人なのかも知らないという寂しい社会。一方でこの絵本にでてくる人々は声を掛け合い、笑顔です。誰とでも親しくしなさいということではなく、「挨拶」やちょっとした「助け合い」はどの時代も大切ですよというメッセージが込められていると感じます。
大人も思わず「クスリ」としてしまう面白さと
さぁバルボンさんはどこにお出かけするのでしょう。交通手段としてバルボンさんはバスに乗るのですが、これがまたとても面白いのです。大きな身体でゆっくり階段を登るバルボンさんをあたたかく見守る運転手さん。思わず寝てしまうバルボンさんを気遣う居合わせた人達。心通ったコミュニケーションとはこういうものなのだということを教えてくれています。
誰もが納得!これがバルボンさんのお仕事なんだ!
そしてバルボンさんが到着した場所は・・・動物園!ワニなのに「ワニになりきる事」がバルボンさんの仕事だなんて思わず読む側も見る側も笑みがこぼれます。