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親子で歌おう!歌いつぎたい日本の童謡「海」
そろそろ夏の足音が聞こえてくる、今日この頃。夏といえば、やっぱり海ですよね!ということで、今回はお子さんと一緒に歌える童謡の中から、「海」を紹介します。
昭和16年に発表された楽曲でですから、実に70年以上もの長い間親しまれてきた名曲です。とてもわかりやすい言葉で歌詞が作られているため、子供たちにもとても覚えやすい曲ですね!
「海」とは
「海」とは林柳波作詞、井上武士作曲による日本の童謡で、「日本の歌百選」にも選ばれています。
井上武士は「チューリップ」など、さまざまな童謡の作曲で知られています。
歌詞紹介
「海」作詞:林柳波 作曲:井上武士
海は広いな 大きいな
月がのぼるし 日が沈む
海は大波 青い波
ゆれてどこまで続くやら
海にお舟を浮かばして
行ってみたいな よその国
※科昭和55年の歌詞改定後は「海にお船をうかばせて」ですが、発表当時の「海にお舟を浮かばして」で表記いたしました。
歌詞紹介について、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
どこまでも果てなのない広大な海を、平易な言葉で表現したシンプル歌詞が、かえって海の雄大さを引き立てているように感じられます。シンプルな言葉が選ばれているだけでなく、韻を踏んだ歌詞はリズム感が良く、子供たちでもとても覚えやすい歌詞ですね。
曲が作られた昭和16年は、太平洋戦争が勃発した年でした。軍国教育が徹底されていく中で、国語教科書などは、軍事色が色濃くなっていたそうです。
そんな中で発表されたこの曲は、軍事色を感じさせない、自然の雄大さや美しさが歌われています。これは、国民学校芸能科音楽教科書編纂委員であった林柳波が、苦心して作詞をし、検定を通したからだそうです。
当時の検定を通すためには、歌詞に軍事教育的な内容を盛り込まなければなりません。しかし、林柳波には「子供たちに優しい歌を届けたい」という思いがあったのでしょう。3番の歌詞を工夫することによって、何とか検定を通したのですね。「海にお舟を浮かばして」という一節に、違和感があるのはこのためでしょう。
当時の林柳波が何を思ったかは定かではありませんが、長く日本で歌い継がれてきた理由は、わかりやすくやさしい言葉で、自然の雄大さを表現したからにほかなりません。時代によって、歌の解釈は変わっていくものだと思いますが、本質にある普遍的な美しさが変わらないからこそでしょう。
平和な時代に感謝しながら、この歌で海の美しさを満喫してくださいね!