地域の図書館や幼稚園や小学校でも、園児児童たちへの絵本の読み聞かせボランティアも増えてきている昨今。
子どもへの絵本の読み聞かせにはどんな良い点があるのでしょう?そして、読み聞かせる時のコツは?
大人は絵本を「読む」のですが、聞いている子どもは実は聞いているのではなく、「体験」しているのだそうです。この感覚を知っておくことは非常に大切かと思います。
それは、まるでテレビや映画を観たりすることと同じで、その世界に入り込んでいるのだそうです。子どもって本当純粋で感受性豊かですよね。
では、ただテレビを見せるのと同じではないのか?と思いがちですが、実は絵本ならではの良い点がいくつもあります。
まず、絵本は紙でできています。その紙に描かれている絵や、ページをめくる紙の音なども子どもにとっては落ち着くのだそうです。
確かに、大人でもテレビで見る絵と実際に紙に描かれている絵を見るのとでは、違う印象を受けるのではないかと思います。
次に、親子で読み聞かせる場合、スキンシップを楽しみながら子どものペースで読み進めることができます。
何より、大好きなお父さんお母さんの声でおはなしが聞ける時間は、子どもにとってはこの上ない安心感に包まれるでしょう。
そして、何といっても、絵本独特の世界観が絵本によってさまざまで、バラエティに富んでいます。
ファンタジーに包まれて、夢の世界へ連れていってくれるおはなしがあれば、怖い体験をつづったものがたりは子どもへの教訓がそのおはなしの中に込められています。
大人が事前に絵本を読んでみて、「こういうテーマのことを、子どもに教えたい」と思う本を選んで、それを読んで聞かせると、親の言うことは聞かなくても、絵本のいうことなら聞くという子が、けっこう多いのです。
先に述べたように、子どもは絵本を「体験」しています。
その点を踏まえ、楽しいシーンは楽しそうに明るい声で、悲しいシーンは悲しそうな静かな声で、といったように、臨場感たっぷりに読んで聞かせるとよいでしょう。
そのように読んでいると、おはなしの世界に入り込んでいる子どもの表情がみるみる変わっていくのがわかります。
ただし、あまりにも演じすぎて声色を変えすぎたりすると、子どもから「このキャラクターはこんな声じゃない」とはっきり言われたりするのでご注意くださいね。
子どもは子どもなりに見えないところまで自分で想像しながら、そのおはなしを体験しているのです。
演じすぎることは、大人の価値観を押しつけることになるそうです。子どもの想像力まで奪ってはせっかくの読み聞かせが台無しですよね。お子さんの気持ち、目線に立って、ちょうど良い読み聞かせをしてあげてください。
まだしゃべることのできない赤ちゃんも、耳ではしっかりとお父さん、お母さんの言葉を聞いています。
ことばを話すことの喜びや、楽しさをぜひ、赤ちゃんにも絵本を読み聞かせてあげて教えてあげてください。
小さいころから絵本が好きな子は、いずれ成長してからも本を読む子になる子が多いそうです。
絵本はなかなか買えなくても、図書館や古本屋などでお気に入りを探すことができます。
ぜひ、親子で触れ合う絵本の読み聞かせを楽しんでください。それに慣れてきたら、地域の読み聞かせボランティアなどにも挑戦してみてくださいね。けっこう楽しいですよ!